「3」の活用
正月のTVを観ていたら、説明上手で有名なI氏が時事問題について講義形式で話をしていました。米の大統領が変わって世の中がどうなっていくのだろう、というのが主題でしたが、私が興味をもったのは、I氏が言う「3の概念を活用する」ということでした。実は、この「3」という数字について、私は会社員生活の後半辺りから意識しており、その概念と使いやすさについて、大学の授業の中でも、機会あるごとに脱線していました。I氏が私と同じ感覚を持っていたのは、「わが意を得たり」であり、今回はこの「3」について私が学生に常々話していることを申し上げてみようと思います。
私達昭和の戦後生まれにとって、「3」というと背番号3、ミスタージャイアンツが象徴的です。しかし、齢を重ねるにつれて、この「3」という数字をうまく活用することが心豊かな生活につながる、と思うようになりました。
まずは「3」に絡む言葉をあげてみると、ボクシングの1ラウンド、3分間スピーチ、仏の顔も3度まで、2度あることは3度ある、3度目の正直、石の上にも3年、最近では面接の第一印象3秒―3分等々、考えればいくらでも出てきます。
私は学生に「どうしていいか、わからなくなった時に、3の概念を使いなさい」と言っています。例えば、就活を例にとってみましょう。エントリーシートで必ず訊かれる必須項目と「あなたの自己PRをしてください。」という質問があります。これに対する答として「3」をキーワードとして話を組み立て「私には3つの強味があります。」とか「私の強味は○○です。その具体例を3つ申し上げます。」というように言ってみてはどうか、ということです。これが「2つでは物足りない」という感覚が残ります。また「4つでは雑多で何が言いたいかわからない」という声が聞こえてきそうです。即ち、相手に分かってもらうために、「3つ」が最も適切ではないか、と私は経験的に確信をもっておりました。これは面接でも同様のことが言えます。3分間自己PRなら、言いたいことを3つにまとめ、1分弱づつ述べればいいのです。構成をどうしようとか、どう選択しどう集中したらいいか、という部分で悩まなくてもいい。「会社の志望動機は?」という質問の答にも使えます。「この会社を志望したのには3つの理由があります。ひとつ目は○○」という具合です。
結婚式でスピーチを頼まれたら何をしゃべるか考えるでしょう?そんな時も「3」の概念があれば、新郎新婦の3つの特徴でもいいし、3つのエピソードでもいいし、感情―思考―行動の3つの切り口からのアプローチでもいいでしょう。こう考えると「Simple is best」を実践する具体的な方法が『「3」の概念を活用する』ということになります。
私自身この考え方を実践し、学生をはじめとして伝えて来ました。I氏が同意見と知り、今後益々「3」の実践と伝達に拍車がかかりそうです。
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