« チームワーク | トップページ | 雑感5題 »

2013年10月 1日 (火)

法人税

消費税が上がる今この瞬間、先の見えない暗闇の中で施政者は様々な提灯をつけてきます。その提灯の中で、最も現実とFITしていないのが、法人税の減税です。法人税を軽減することにより、その分が社員に配分され、実体経済が良くなる、というシナリオですが、現実との乖離が甚だしい。全く一般企業の現場を理解していない、と私は思いました。法人税を減らしても、サラリーマンの給料は上がらない、と私は断言しておきます。

円安による企業業績の改善は確かにあります。ですから、前から予言したように、ボーナスが上がった会社は多々あるはずです。しかし、給料は上がらない。
今、法人税が軽減されると、そのお金はどこにいくのでしょうか?
私が経験的に確信のあるのは、「企業の内部留保が増える」という答えです。今利益を吐き出して、恒久的に続く給料の基本ベースを上げるには、ファンダメンタルズ(企業の利益基盤)が弱すぎます。

あなたが、貯金をするときはどういうときでしょうか?先々が不透明なときは、プラスで収入があっても、貯金しようという心理が働きませんか?企業の経営者も同じです。
私はたった2年間でしたが、ITベンチャーの会社の経営に携わっていたことがあります。その時、まさしく似たような話がありました。「思いがけぬプラスαの利益を得たが、それは会社の存続に必要な内部留保として大事にとっておこう。」と思ったものです。可愛い社員一人一人給料を上げてやりたいのは、山々ですが、+αの利益をそこに使ってしまおうとは思いませんでした。現在の利益が数年続く見込みがあれば社員還元するでしょう。しかし、その保障はないし、法人税を次にあげられてしまえばそれまでです。一般中小企業の経営者は、会社の存続を第一優先に考えるはずです。
今回のやり方は「朝四暮三」で非常に拙い。先にメリットのある方法を実施し後で取り返す、という思惑を経営者なら読み取ってしまうのではないでしょうか?

法人税減税では実体経済はよくならない、財源が足りないなら法人税は従来通りとるべき、と私は思っています。

|

« チームワーク | トップページ | 雑感5題 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 法人税:

« チームワーク | トップページ | 雑感5題 »