チームワーク
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地は東京と決定しました。結果を出した関係者の並々ならぬモチベーションの高さと努力に敬意を表します。
決定後のインタビューで、チームの中心となって奮闘した東京都知事が「勝因はチームワーク」と答えていた言葉が印象的でした。今回はオリンピック招致にちなんで「チームワーク」について一言。
例によって大きく3つの視点から捉えてみます。1つ目は、「個人の能力」という視点。個人の能力が高いというのがまずは必要です。柔道や剣道の団体戦を想定してみるとわかりやすい。組織は、個々の力の集積であることは間違いありません。よって、常日頃から自分を磨き続けること、自己の能力を伸ばそうと努力を継続することがまずは基本となります。
2つ目は、「組織」という視点です。いくら個々の能力が高くても、組織としては、1+1が2ではない、というのが通常です。船頭多くして船山に登る、という諺のとおり、船長は必要ですが1人いればよい。2人いれば却ってマイナスになります。これが即ち、「役割分担」というものです。自分の役割は何なのか、自分しかできないものはなにか、という自己理解が必要になってきます。ホームランバッターばかりいても野球は勝てません。
3つ目は、個人と組織をつなぐ「マネジメント」と言われる視点です。個人の能力を的確に把握し(食材)、最大限発揮できるよう役割分担を明確にし(料理)、そのステージを演出し(食卓)、結果を出す(評価)。「冷蔵庫の中にある食材を最大限活用して、家族に喜ばれるおいしい料理」を作る主婦の役割そのものが「マネジメント」です。これがうまく機能すると、P・F・ドラッカーが言っているように、チームとしての強さが個人の弱みをカバーしてしまい、強いチームが出来上がります。そして、互いに好影響を与え、いわゆる「シナジー効果」が現れます。
今回のオリンピックの招致活動で、都知事が「チームワーク」と称したのは、個人の高い能力とロビー活動やプレゼンテーションにおける役割分担、そしてそれらを戦略的につなげる「マネジメント」がうまくいったと言いたかったに違いありません。そして、この3つの視点を達成できたのは、奥様が亡くなったという哀しみをモチベーションの高さに変えた都知事独特のリーダーシップでしょう。
最強のチームをつくるためのポイントは、能力の高い人間を集めること、役割分担を明確にすること、リーダーあるいはその補佐役でマネジメントができることの3点が必須条件になるということです。チームをつくるときの参考にしてください。ただ1つ留意すべきは、能力の高い突出している人間には人間関係の構築が苦手な人もいるということです。その場合、リーダーがそれを呑み込み受け容れ全体とのパワーバランスがきちんととれるかどうかがポイントとなります。
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