新アイテムの評価
今回の参院選挙から、「ネット選挙」が採用されました。ある集計によると、ネット選挙を投票の参考にする、という有権者は非常に少ないそうです。私も参考にしないひとりでしたが、あなたはどうでしたか?
今回は、「新しいサービスを実施する、新商品を市場に投入する際に発生する法則」について考察してみます。新しいサービス・商品(以後新アイテムと呼ぶ)は、私達が好む好まないに関わらず出現してきます。なかには、こんな新アイテムを待っていたというものも稀に現れますが、ほとんどは私達の意思とは無関係です。PCのバージョンアップはこれでもかこれでもか、と絶え間なく出てきますし、携帯電話の新製品なども同様です。
新しいアイテムが私達の前に現れると、私達には5つの選択肢が自然発生します。新しいアイテムを一番に使ってみる人、また待ってましたと飛びつく人。この人たちは マーケテイングの「イノベータ理論」というものの中で「イノベータ」と呼ばれており、必ず先駆者として存在します。i-Podが出た時の私がそうでした。次に様子をみていて、他人に先駆けて入手する人。これが「アーリーアダプター」です。この人たちが普及のカギとなります。そして、普及状況をみて、生活の一部として納得づくで入手するのが、「マジョリテー」。ここまでくれば、その商品は受け入れられ、結果として、生活様式に変化をもたらすようになります。以下、遅れて入手する「レイト・マジョリテー」。時代が変化しても軸を変えない「ラガード」と分けられます。アイテムによって、人は、「イノベータ」にも「ラガード」にもなるのですが、人間集団という括りでみると、常にこの5つの層に分かれるということです。
普及の分岐点は、「イノベータ」が試した後、「アーリーアダプター」にうまくつながるか、どうかが、です。例えば「ネット選挙」は、まさにこの時点にいるので、この後の振り返りやフォローが普及のポイントとなります。
ネット選挙は政党側の要望によるものです。この後、PCのバージョンアップの類なら、有名無実になるでしょうし、使ってみたらこれは良い、という評価が得られれば、一般に普及することになります。消えるか、生活様式に入るかの分岐点です。
似たような世界で、継続中の案件としては雇用問題で政府が推進している「JOB カード」があり、これから導入される案件としては2015年1月発効の「マイナンバー制度」があります。国民の意思に関わらず、人と税金がこんな所にもつぎ込まれているのです。
1つの新アイテムが導入される際には、その時々の瞬間的な結果ではなく、上述のように中期的な視点を根底においてアイテムを理解してください。この視点を身につけると、「なぜ、世の中はこんなに理不尽なの?」という出来事に遭遇しても、動揺したりせず、冷静にみつめることができるようになります。
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