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2013年5月12日 (日)

「概念化」と「細分化」

今回のテーマは「アベノミクス」についてです。我々はこれをどう捉えたらいいのでしょうか?

ずばり、結論から言います。「概念化」と「細分化」の2つに分けて考えるべきだと私は思っています。様々な内容を1つのキーワードにまとめる「一言で言うと○○である」というのが「概念化」です。一方、「具体的に言うと、○○××です。」というのが、「細分化」です。総論に対する各論、統合に対する分類・整理という言葉とも類似していると思います。
「概念化」がうまく受け容れられると、どさくさにまぎれて、「細分化」までが混同され、なしくずしにすべてが承認されてしまうという現象がよくあり、私はそれを恐れています。「あばたもえくぼ」となると正常な判断ができなくなってしまう。逆説的に「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」という言葉もあります。

「アベノミクス」は、「インフレを起こしデフレ・スパイラルから脱却することで、経済から日本を立て直す」という政策であると私は認識しております。2013年5月中旬現在、この政策は見事に目標を達成しています。1ドル100円超の円安を背景に、株式市場は日経平均15000円に迫り、2008年9月のリーマンショック以前の水準に戻ってきました。2013年3月期の決算が次々に発表されていますが、輸出関連会社は軒並み、予想以上の上方修正となっており、それが株高の根拠になっています。一般の人たちの間では実感がないというのが正直なところでしょうが、企業の資産価値は著しく上昇し、今後の見通しも大幅に良化し、バブル時代の好況を彷彿させています。今、最も歓迎すべきは、健康保険組合等、運用益で大損をし、赤字になった組織が、莫大な利益を得、一挙に黒字化するであろうという状況展開です。そうなると、経済の基盤が一挙に安定する、このプラスは大きい。故に、「アベノミクス」は、所期の目的を達成し、概念化的にはプラス評価となるでしょう。

それはそれとして、その他の政策については、1人1人が個々の課題を整理して、経済政策とは切り離して考えて欲しい。「細分化して整理する」と言うことです。
 
原発問題は「安全が確認されたら再稼働させる」と言っていますが、真下に活断層が走っていると専門家が言っているのに、再稼働ありなのでしょうか?
 
憲法改正の課題については、次の選挙の争点になるようですが、1人1人がこのテーマについて勉強し、意見を持って欲しい。日本人全体がムードに流されて「烏合の衆」になったら大変なことになります。

「概念化」と「細分化」は共に大事な考え方ですが、使い分けましょう。経済政策がうまくいったからといって、それを他の施策にスライドさせてはいけません。総論賛成、各論反対でいい。国民一人一人が個別テーマを勉強し、冷静で納得のいく判断がなされんことを切に願っております。

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