「線レベル」の理解
3月11日で、東北大震災から丸2年経過しました。そこで、2つの質問です。
「地震の時、あなたは何をしていましたか?地震の後、どういう行動をとりましたか?」。これが1つ目の質問です。この質問に対しては、ほとんどの人は、すさまじいあの瞬間を想い出すことでしょう?
私は、新宿のT大で3限の授業が終わった直後に被災しました。揺れが長く続き、波乗りをしているような感じで、3階から階段を下りて外に出てみると、新宿の高層ビルが右に左に揺れているという前代未聞の光景を目の当たりに見ました。ここで死ぬのかという恐怖に襲われながら新宿公園まで逃げて助かった気になりました。そして次に待っていたのは、「帰宅難民」でした。深夜2時にようやく自宅にたどり着いたのですが、そこで大津波の映像を見ました。更に、追い打ちをかけるように、あの原発問題が起きたのです。という私のケースと同じように、皆さまそれぞれ、当日の怖い体験が蘇ってくるのではないでしょうか?
そこで、2つ目の質問です。「復興がどれだけ進んでいるのかご存じですか?所轄官庁はどこですか?大臣の名前は?」。こんな質問に貴方はどこまで答えられますか?お恥ずかしいのですが、私自身自問自答したところ、ほとんど答えられない自分がいました。確かに復興がうまくいっていない、というのはニュース報道を見聞きして知っているつもりでいましたが、実は全く分かっていないということに気付きました。分配金、除染、その後の原子炉の状況等々、私の知っているのは、「点レベル」の話です。「点レベル」の認識を「線レベル」と思いこんで、見てきたような批判や評価をしていたのです。これでは、現場の状況を実感できず、右顧左眄していたどこかの司令部と大同小異ですね。
本当のことを「線レベル」で捉えるための努力をしていますか?物事の批判や評価をするのはたやすいのですが、私たちは責任ある人として、意見を言うべき対象に対しては、しっかり自分の足元から見つめ直し基礎を固めておかねばならないと思うのです。そうでなければ、言うことに迫力も説得力もありません。
前述の質問に対しては、「復興庁の担当大臣がどんな人で、東北とどうかかわっているのか?」等、その気になればすぐ調べることができます。最近のITの発展は、短期間に大概の事を調べることを可能にしました。できないのではなく、やらないから「点レベル」以上に抜け出せないのです。
原発に起因するところは、なかなか実効が上がらず、危険な臭いがプンプンしますが、これにモノ申すためにも、国民の一人一人が「線レベル」の理解を目指して、情報収集や知識吸収をしなければならないと改めて思いました。2年目の地震の日に際し、こんな「足で稼いだ情報が大事」という営業の基本を想い出しました。
ちなみに、私は関西大震災も大阪豊中市で経験しています。
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