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2013年2月 6日 (水)

暴力問題

最近のマスコミに連日報じられているのが、日本柔道界の暴力問題です。女子選手15名が直訴したパワハラ問題です。

まずは、直訴した15名の選手に拍手を送ります。私は2つの経験を想い出します。1つ目は、私の企業現役時代、「7人の課長」の押印をとって、私が代表となって、パワハラ上司に意見具申したこと。「わかった」と一言言われて、終わりでした。2つ目は、子会社社長の部下に対するパワハラです。部下から人事部に注進があり、社長は更迭されました。後任の社長が私でしたから経緯を聞いて唖然とした記憶があります。

私は、パワハラをストレスという観点からよく捉えます。カナダの生理学者H・セリエ氏は、「ストレスは人生のスパイスである」という名言を残しています。ストレスには、いいストレスと悪いストレスがあるということです。コレステロールに善玉と悪玉があるのと似ています。いいストレスは、ピークに至ると、最大限のパフォーマンスを発揮します。達成感や満足感、自己存在感やレベルアップ感など人が伸びる原動力となっていきます。即ち、適度の緊張感=いいストレスがいい結果をもたらすということです。我が国の原発をはじめとするあっと驚くノー天気な対応は、まさに緊張感が足りないからいいパフォーマンスが得られないということではないでしょうか?

一方、過度の緊張感は、一気にパフォーマンスを落とします。今回の柔道界のパワハラは、選手に過度(→極度)の緊張を与えたのではないでしょうか?指導側は適度の緊張感を与え結果を出そうとしたのでしょうが、今の世の中では通用しないということが証明されました。適度と過度では180度違うということです。テニスのラケットやギターの弦を想像してみてください。適度に張っておかないと性能が発揮できませんが、張りすぎると切れてしまいます。竹やゴムには、遊びがあって、しなったり伸びたりしますが、やりすぎると割れたり切れたりします。そして元には戻りません。
パワハラか、ほど良い緊張感なのかは、個人の判断に委ねられることになりますが、15人からの直訴ということは、外の人間では計り知れない相当の暴挙があったと想像されます。

幹部の辞任や組織改訂もさることながら、最大の解決方法として、コミュニケーションの必要性がクローズアップされるでしょう。選手の話を聴くこと。それができるようになれば、組織も変わるのではないでしょうか?柔道界の幹部に私のコミュニケーションの研修を受けてもらいたいものです。

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