褒めて伸ばす
先日何気なくTVを見ていたら、千葉県松戸市が率先して行い効果を出しているという「褒めて伸ばす」という教育の手法を紹介していました。
「私は褒められて育つ」。こんな言葉を入社の挨拶に使った新入社員がいましたが、これは「真理」と私は常々思っています。なかには「私は怒られて育つ」という人はいますが、人はそんなに強いものではありません。他人から褒められた、認められたという承認感、があってはじめて自己肯定感が出てくるものです。実際、私の研修の中では、「いかに相手のいいところをみつけるか」「相手に納得できるようにいかに褒めるか」について、「OKセッション」というグループワークをすることが多い。企業研修、再就職支援セミナー、学生のキャリア授業等々、私は、あらゆるところでこの「OKセッション」を多用します。そして、研修やセミナー、授業の終了後、受講生が喜色満面の顔をして帰っていくのを見て、「褒めて伸ばす」ことの正しさと効果を確認しています。
私のようにカウンセリングの仕事をしていると、自己肯定感の低い人をよく見受けます。「どうせ私なんか・・・」「私は何もできない」など、自虐的な言葉をよく聞きます。カウンセリングしてみると、必ず小さい頃身内のちょっとした一言が傷となって残っていることが多い。例えば、両親のひそひそ話で、「お兄ちゃんはよくできるのに、弟はねー。」とかいう1部分を盗み聞き、「そう。私は兄貴に比べて人間的にレベルが落ちるのだ。」と思い込んでしまう弟がなんと多いことでしょう。親や家族の何気ない言葉が子どもを傷つけているのです。
逆に、褒められると、その資質が大いに伸びます。さらに、噂話で褒め言葉を聞くと、モチベーションは倍増します。「君のことを○○と彼が褒めていたよ」とあなたの尊敬する人の言葉を間接的に聞けば、うれしさ倍増となるでしょう。褒めるのにお金はかかりません。昨年の大学卒業生で、塾の先生になった学生は、キャリア授業で私から「教えるのがうまい」と言われたことが励みになったと言っていました。有名な画家のH氏は新聞紙上で名高い評論家から「おもしろい味がある」と褒めてもらってそれを励みにして輝かしい画業を成したといいます。(11/20 朝日 天声人語)
このように効果の高い「褒めて伸ばす」を教育に利用しない手はありません。人は往々にして悪い所に目がいきがちですが、人を見たらいいところを探す練習をしてみてください。身近なところ、自分の子どもや配偶者に早速試してみてください。そして「褒め言葉」を口に出して伝えてみてください。特に、褒める対象の本人のいないところで、褒め言葉を連発しましょう。そのうち、本人に伝わります。子どもにしろ、配偶者にしろ、その後必ず良い変化が現れ、人間的に伸びていることを確認してください。この状況を手に入れれば貴方自身が幸せになります。
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