火事場のバカ力
PCが全く動かなくなってしまいました。あるDVDを入れたら作動しなくなり、ギーコギーコと音がするだけでいつまでまっても状況は変わりません。
PCは仕事上、必須物です。これがなければ、全く仕事になりません。すでに大学の授業が始まっており、私のほうから他の講師にタイムライン(授業の進め方の時間割)を提供せねばなりません。また、月曜日には、スカイプによる事前の打ち合わせの予定もあります。
真っ青です。普通でしたら、一度電源をOFFにして、最初からやり直せば再スタートできるのですが、その程度では、うんともすんとも言いません。やむをえず、初めて、マニュアルに目を通しました。PCを動かすということを最優先し、まずやるべきことは、データの保存です。「かんたんバックアップレスキュー」という方法があり、この通りにやれば、ファイルはバックアップされるらしい。全く自信も経験もないのですが、「やるしかない」と居直り覚悟を決め、マニュアルの指示に従ってみました。CドライブからDドライブへの移管です。できました!次はいよいよ「マイリカバリ」です。同じようにマニュアルどおり、「トラブル解決ナビ」にアクセスし、操作を開始しました。しかし、何回やっても、途中で、動作不能となってしまいました。時間はかれこれ、3時間ほど経っていました。
もう夜9時に近い頃、サポートセンターに電話を入れてみました。15分程度待たされてようやく電話がつながりました。ここから、Long and Winding Roadが始まりました。まずは現象の説明、作業しながらの確認、先方も相当気が長くないとこの仕事はできません。話のレベルを合わせてから、さまざまなトライをするのですが、ことごとく失敗です。もう駄目かな、とあきらめかけた時、ある場面になったときにDVDの取り出しボタンを押すという手を教えてもらいやってみたところ、なんと動かなかったDVDがPCから出てきたのです。喜んで、ここまでの操作を繰り返すと今度はマニュアルどおりに動きました。もう深夜でしたが、私にこんな力があったのか、と久々に「がんばった感」がありました。これが、「火事場の馬鹿力」でしょう。冷静に対応するというのはこういうことなのですね。初日はまずはPCが動くようになりました。
翌日は金曜日。朝6時50分に家を出て、T大で授業を3コマこなし、帰宅は、19時です。帰ってからは、またPCとの格闘です。幸い、Eメールが運よく開通したので、必要な交信はできました。ただし、過去のメール、住所録等は完全に消滅していました。
授業のタイムラインをつくるための素データがありません。このままだと、授業に穴があきます。大問題です。
次はセキュリテーです。従来使っていた「ウイルス・バスター」がうまくつながりません。2時間ほどやってみて、とりあえずマイクロソフトの無料セキュリテーソフトをインストールしました。
いよいよデータの復元です。マニュアルどおりにやったら、うまく作動しています。うまくいく予感がしました。結果は?
なぜか、テキストファイルが全部消えています。画像は生き返っていました。天災にあって持ち物がもっていかれる、過去がなくなる、大袈裟に言うと、そんな感じで、失望感に見舞われました。
そんな思いのまま、土曜日のセミナーにでかけ、PM7:30に帰宅。また、PCの整備に取り組みました。ワードとエクセルのソフトが回復したのと、Eメールが復元しました。これで昔受信送信したファイルは生き返らせることができるようになりました。当面の仕事はこれでこなせそうです。
どこかに、テキストファイルがあるのでは、と淡い希望を持ちながらインターネットを整備していると、なんと、なんと、「お気に入り」のアイテムの中に、「ドキュメント」という懐かしい文字があるではないですか?喜びと驚きの中、恐る恐る開いて見ると、消滅したと思われたファイルがそこにあったのです。嬉しかった。涙がでるほど嬉しかった。このあと、スカイプやプリンターをつなげ、日曜現在ようやく90%程度の復元率までこぎつけました。
私にこんな力があったとは。追いつめられると「火事場の馬鹿力」が出るのですね。以前、仲間が私に「追いつめられて居直ったときに強い」と言っていた言葉を思い出しました。いつも学生に言っていることが自分の現実となった好例です。当たり前だけど、USBへのバックアップはマメにやっておくことがいかに大事か、思い知らされました。
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