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2011年7月17日 (日)

新平家物語

作家吉川英治氏は、「新平家物語」を完成させるのに、7年の歳月を要したと言っています。その大作16巻を読み終えました。8か月ぐらいかかったでしょうか?歴史小説の大作は、司馬遼太郎「翔ぶがごとく」→吉川英治「私本太平記」→池波正太郎「真田太平記」についで、4年間で4作目ということになります。

「新平家物語」という表題から、平家の栄枯盛衰について書いてある、と予想していたが、内容はもっと広範囲であり、後半は源義経のことが詳しく書いてありました。吉川氏曰く「本文は、「平治物語」「保元物語」「平家物語」「源平盛衰記」「義経記」「吾妻鏡」といったもの、すべてに読みまたがっており、それに1つの系列とわたくしの創意を与え、縦横に織ったのが「新平家物語」であります。」。要は、広範囲に亘る小説であるという解説をしています。我々が通常目にする戦国時代以降の武将物語や明治維新前夜の話とは趣を変え武家社会の草分けとなった源平の時代にさかのぼっているところに新鮮さがあり、そこに歴史というものの深さを感じました。

吉川英治氏の作品については、「三国志」と「宮本武蔵」が私の昔からの愛読書です。「三国志」は7回、「宮本武蔵」は3回読んでいます。そんな意味で、私に最も影響を与えた作者といえます。新平家物語は文脈が格調高く、貴族言葉がよく現れ、「文学」としての香りを十分感じました。そして何よりも、16巻を読破したことに達成感を感じます。会社の現役時代に読めなかった長編歴史小説を読むことを1つの目標として、それを励行しているわけですが、ここまで続いてくると、日課のようになってきました。朝起きた時、夜寝る前、電車で仕事に行く時などにコツコツと読み続けています。

未読の長編歴史小説がある以上は、このパターンを続けます。次のターゲットは、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」にしました。この作品は読者が多く、最近ではTV放送もされ話題になりました。話題になるごとに、意識していた作品です。「竜馬がいく」は読んだのですが、「坂の上の雲」は未読でした。遅ればせながら、2011年7月16日スタートです。

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