栄枯盛衰
大相撲九州場所、双葉山の69連勝を破る勢いであった横綱白鵬が前頭2枚目の稀勢の里に敗れました。白鵬の連勝記録は、江戸時代の力士谷風と並ぶ62連勝という歴代2位に留まりました。白鵬が負けた瞬間、意外だったのは、観客の反応です。座布団が飛ぶわけでもなく、淡々と土俵を見上げているという感じで、日本人は喜怒哀楽がないのか、と思うほどの静けさでした。しかし、私の胸に手を当ててみると、この反応は分かるような気がします。私には次のような思考のメカニズムがありました。大相撲は日本の象徴→双葉山の記録は日本人の誇り→神格化された誰しもが認める双葉山以上の力士こそがこの記録を破るべき→白鵬は強いし人柄もいいが双葉山は超えていない、→朝青龍というライバルもいない、他の力士が弱すぎる→双葉山の記録は破られて欲しくないが、破られそう→記録は破られるためにある、破られても仕方ない⇒破られた後、相撲が廃れる? 69連勝以前に白鵬が負けることを私は期待していたのです。結果はそうなったのですが、観客の反応は、私のような感情の裏返しではなかったでしょうか?
世界バレーで、女子が銅メダルを獲得しました。32年ぶりの快挙とのことです。私はアメリカとの3位決定戦は第4セットからTV観戦しました。2セット先取された後でしたが、途中からアメリカを引き離した勝利には久々に興奮しました。真鍋監督の選手起用には特に共感しました。適材適所に12人(?)のメンバー全員が使われていました。我々素人の眼で見て、全日本に選ばれた選手1人1人がきっちり役割を認識し、それを使う監督が有限実行している、そんな縮図がみえてきました。これは日本シリーズを制したロッテ・マリーンズの西村監督と共通の臭いを感じました。最終セットは15点勝負ですからスリリングです。競り合っても、今回の全日本は折れません。前日のブラジル戦のジュースを35点で制した実力は本物でした。途中から弾みがつき、最後の木村選手 のスパイクがブロックアウトになった時は、女房殿と手を叩いて喜び合いました。メダルを取るのと4位では大きく違います。一番影響するのはモチベーションでしょう。今後に向けて大きな自信を得たということが最大の収穫となります。努力してきた選手個々が報われた事に大きな喜びを感じました。
未来永劫勝ち続けることはありませんし、努力を継続していけば負け続けることもありません。栄栄盛盛もなければ枯枯衰衰もない。「栄枯盛衰」実に言いえて妙、味のある言葉です。
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