棋聖
昨日、TVのニュースで、藤沢秀行氏が逝去されたことを知りました。ほんの瞬間のニュースでしたが、一時代が終焉したような空虚な感覚に襲われました。藤沢秀行氏は、昭和の囲碁界の巨匠であり、その豪快かつ芸術的な棋風は、愛棋家からは、多大なる人気を博していました。囲碁界の一世を風靡した木谷一門の有名棋士のほとんどが秀行氏の影響を受けていると言われています。
私が囲碁を打ち始めたのが、昭和40年代後半でした。石田コンピュータや武宮宇宙流、殺し屋加藤などの打碁録を買いあさり、囲碁三昧の時期がありました。その時、プロ棋士のなかでも別格扱いだったのが、秀行さんでした。確か、第1回棋聖、第1回名人になっており、初物に強いと言われたように記憶しています。私の中での永世棋聖が秀行さんです。厚くスケールが大きい碁は魅力的で、碁が芸である、とよく言われていました。ポカをして、終盤よく逆転されることも愛嬌でした。
先日、めずらしくTVに出ていたのですが、昔の面影は消え、すっかりやせ細って別人のようになっていました。棋聖も年には勝てないと思いつつ心配していましたが、そんな折の昨日の訃報でした。飲み仲間でやはり大酒飲みで若くして亡くなった将棋の芹沢八段に比べれば80歳というのは天寿を全うしたと言えるかもしれません。
天才がまた一人この世を去りました。私は囲碁の愛好家としてここに慎んで哀悼の意を表します。合掌。
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