デビュー
NPOキャリア・コンサルテイング協議会江の島グループの定例会に久しぶりに出席した。開催場所が3ヶ月前から変っていたのに気づかず現地にタクシーで駆けつけるも20分遅れた。この会は、私にとって、10月でほぼ1年の在籍になるが、自分の担当日の責任はあるものの、運営等についてはなにもなく気楽なコミュニテーという位置づけにある。でしゃばらず、ゆったりペースで、決められた方針に沿っていけばいい、と考え、ここまでそのつもりでやってきた。今年から、キャリアコンサルタントを国家試験に、というトレンドのなかで、当コミュニテーでは、定例会でその試験対策も実施している。お馴染みのロールプレイだ。この2ヶ月で新会員が急激に増えたためか、最初からやけに私に発言の機会を与えられる気がした。2セッションの演習であったが、2セッション目はなんとクライエント役から、カウンセラー役に私が指名された。指名されたら受けるのが私の主義なので、30分間のカウンセラー役を17人の面前で実演することになった。クライエントのW氏は、演技しており、いじわるな方向へもっていこうとする。20分過ぎた頃、メチャクチャを言っているクライエントに対し、我慢が効かなくなり、モチベーションがダウン。その後は投げやりなカウンセリングになってしまった。私の悪い癖である「早いあきらめ」がでた。スーパーバイザーからは、クライエントが気分よく終わっていない、どんな状況においてもなげやりになってはいけない、意見の押し付けではなく言い方を考えるべき、というケチョンケチョンのFBを受けた。ただ、救いは、オブザーバーからは、概ね好意的なFBをいただいたことだ。「このクライエントをよくあそこまでもっていった」「認知療法やブリーフセラピーを使って工夫しながら局面を進めている」「前回同じパターンでやったがその時は最初から全然カウンセリングにならなかった。(クライエントのW氏)」など。私としては良いも悪いも受け容れて入るが、後付で分析してみると後述のようになる。根本的に、私は今度の国家試験は経験年数の点で受験資格がない、と思っている。そのため真剣さを欠くスタンスであったのは間違いない。気もちを切り替えて一生懸命にやっているのに、クライエントのW氏は遊んでいる、と感じた瞬間から落ちた。局後の自分の検討で、このパターンを克服する手段は、①深堀する場面の突っ込み②外堀を埋める戦略③決断するための殺し文句を身につける、の3つを考えている。なによりの戒めは、「最近順調にいっていい気になって謙虚さがなくなりつつある。昔の悪いところがのぞいた。」という天の声である。いいタイミングで、いいFBと天の声を受けたものだ。ともあれ、いままでおとなしくしていたが、今回このような思ってもいない展開で江の島Gに心ならずも「デビュー」してしまった。
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コメント
小倉克己さんの「デビュー」を読んで あまりにも意地悪なクライエント役演技に、すっかり困窮意気消沈しまったと反省しきりに述懐・・・あの沈着冷静な小倉さんが?信じられない思いであったが、実は小生勤め先でのカウンセリングでこの意地悪クライエントとも劣るとも勝るようなスゴ悪クライエントに遭遇した覚えがある。なんでも某社リタイアされた御曹司のベテランフリータで、理論武装?をしたつわ者(屁理屈屋)で、来談された積極さを感じてついつい甘い言葉をかけてカウンセリングに入って行くと、求職の姿勢は全く窺い知れず、能力や経験のことを尋ねれば、そんなことを聞かなければカウンセリングは進められないの?と上げ足を取ったり、過去の求職活動のことを尋ねれば、自慢気に市議員紹介先の不動産会社の面接を待っていたがいつまで経っても進展がなく、県議員を通したが一向にラチがあかず人は信用できないと来た。おまけに声はか細い声で聞きとるのに大変な苦労をした。あとから分かったのだが親が行けと言う事で渋々の来談であったとのこと、こんな滅茶苦茶な男にまともに対応できないと「・・・申し訳ないが小生の能力では君に良いカウンセリングが出来ない、適切な臨床心理士にリファーしたいが」・・・と呼びかけたが、勿論のこと拒絶されて全てが終わった。「事実は小説より奇なり」というが、その意味ではこう言う意地悪・たちの悪いクライエントは稀にいると言う事実である。また、1000人に1人いるかいないかと言う稀なるクライエント役で試験するのも日本的と思えて仕方がないのだが・・・
投稿: 近藤稔 | 2008年7月31日 (木) 21時18分
私の場合、クライエント役が1枚役者が上だった、ということで済みますが、仰るクライエントはすさまじいですね。私が最近思っているのは、アンカウンセリングもあり、ということです。限界を知る、というのも大切な倫理綱領です。お言葉ありがとうございました。
投稿: 小倉克夫 | 2008年8月 1日 (金) 10時48分